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2008年08月18日

長崎の報告   NO.539

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※独立行政法人国立病院機構・長崎医療センター

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※高山救命救急センター長から説明を受ける

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※ドクターヘリの前にて

 朝晩、随分と涼しくなりました。やはり、お盆を過ぎると違いますねえ。昼間は以前なみの暑さですが、夜はホント過ごしやすくなりました。よく眠れます。ありがたい! さて、今日は、先般の救急医療体制調査特別委員会の県外調査(8/7〜8)の内容を忘れないうちにまとめておきたいと思います。

 まずは、長崎県議会で長崎県の医療担当部局から聞かせていただいた内容。長崎県は、人口が144万人あまり。三重県(約187万人)より若干少ない人口で、面積は三重県の約7/10。圧倒的な海岸線の長さと離島の多さが際立つ。そういう意味では、程度は違えども三重県と似通っている県でもある。しかし、こと、救急医療に関しては、三重県とは比較にならないほど充実している。

 まずは、医師数、病院数、病床数、いずれも全国トップクラス。よく比較に使われる10万人あたりの医師数は、261.1人。全国平均の209.8人を大きく上回る。ちなみに、わが三重県は、177.9人。大都市圏ならいざしらず、ここでのこの医師数の多さは際立っている。潤沢な医療資源は、この県の医療体制の充実に大きな貢献を果たしていることは想像に難くない。しかし、その理由、原因は、意外に定かではない。

 長崎が被爆都市であることも一因かとの担当者のお話。蘭学が入ってきた歴史的な環境も影響しているのではと議員同士の声も。ただ、長崎県は、その環境に甘んじることなく、早くから医師確保に取り組んできた。離島への医師確保という必要性に迫られてきたということもあるのでしょう。医学修学資金貸与制度や自治医科大学派遣制度(貸与制度)も昭和40年代から取り組んでいる。

 現在、取り組んでいる医師確保対策は、これらの制度に加え、小児科・産科医師確保緊急対策資金貸与制度、長崎大学医学部大学院へ寄付講座、などで、表面的には三重県での取り組みと大きな差異はない。ただ、離島病院への医師確保対策の一つとして設置された「長崎県離島・へき地医療支援センター」は、実績が高く、代診制度による医師派遣を年間75日実施、また、離島の各病院の医師不足並びに要望を毎年事前調査し、派遣やあっせんを行ってきている。平成16年から延べで、医師派遣は8人、医師のあっせんは22人の実績。

 驚くべきことに、医師確保はすべて完全公募による自助努力によるもので、大学病院からの派遣依存型ではなかった。毎年、離島病院から要望をとりまとめ、東京・大阪まで医師を探しに行く。都会で疲れた医師が離島で暮らすことに魅力を感じてくれる?のかも、何とか必要数が確保できてくるとの担当者のお話。額面通り受け取っていいのかどうかは、判断材料に乏しいので何とも言えませんが、三重県ではありえない次元での、医師確保ができている事実だけは正しいようである。

 次に、長崎県の救急医療体制について。救命救急センターは、独立行政法人国立病院機構・長崎医療センター(以降、国立長崎医療センターと表現)のみ。あとで触れるドクターヘリの要員も担当する。長崎大学医学部付属病院救急部は、3次も受け持つが、十分な体制ではなく、どちらかというと、救急は国立長崎医療センター、高度医療等の研究は、大学病院という風にすみわけが出来ているとのこと。2次救急は、8つのブロックで病院群輪番制度(42病院)とそれを補完する救急医療協力病院(4地域19病院)で対応している。

 輪番制は、現況の中で医師・看護師・医療スタッフの疲弊を緩和させるために不可欠な策。しかし、一方で、輪番制には問題点もある。当番病院以外は夜間のスタッフ対応を準備しないので、当番病院が受け入れオーバーになると、圏域外に搬送せざるをえない。そういう際のカバーをする協力病院を持っているのは心強い。ちなみに、県は、協力病院に補助金を出している(民間病院月9万円、公立病院5万円)。

 医療資源潤沢な長崎県においても、コンビニ受診化の悩みは大きいようで、2次輪番制の病院はもちろんのこと、輪番以外の病院にも患者が押し寄せ、医師の疲弊が問題になっている。そういう意味では、初期救急の受け入れ先として、土日祝日に限るとはいえ、夜間から翌朝まで対応する長崎市夜間急患センターの存在は大きいと感じた。しかも、小児に限っては、平日も翌朝まで診てくれる。

 夜間はやはり小児科の患者が多く、結局は、小児科対応がフルにできるかどうかがキーポイントに。また、それを補完するシステムとして、小児救急電話相談センター(#8000)があり、こちらは365日・19時〜翌朝8時まで対応している。委託先は、東京の業者のようである。こうした補完システムをいかに充実させていくかも行政の重要な取り組みだとあらためて考えさせられた。ちなみに、三重県の「みえ子ども医療ダイヤル #8000」は、午後7時30分〜23時30分までの対応である。

 最後に、ドクターヘリについて。長崎県は離島が多いので、自衛隊ヘリや県防災ヘリは早くから活用されてきた実績がある。しかし今は、病院間搬送のみに使われていて、現場への対応はドクターヘリが行っている(平成18年度〜)。運航は、実績の多い大阪のヒラタ学園に委託、医師・看護師の搭乗者は国立長崎医療センターが担っている。運営経費は、一般的な国の制度に則っていれば、国と県とで約1憶7千万円を支出しているはず。


 次に、ドクターヘリと救命救急センターを持つ国立長崎医療センターでの調査内容について。同センターは、人口約9万人をもつ大村市に立地し、同市と離島が守備範囲となっている。平成13年に新館が完成していて見るからに立派な施設だ。650床を持ち、うち精神に40床、救命救急センターに30床を持つ。職員数約1007人、うち医師数184人、医療スタッフが579人。研修医は2学年で40人を抱え、別途専用の住居棟を持っている。

 ドクターヘリは、平成18年2月から導入をした。導入までは、その有効性等々について、十分な検討研究をしたそうだ。同センター受け入れの救急車の搬送時間を調査、10%が40分以上を要しており、長時間搬送が原因の病後不良も見られた。県内全体でも収容までに30分以上を要しているケースが43.2%にも上った。管轄外搬送、長時間搬送が増えている現状に、時間短縮、特に、治療開始までの時間短縮が重要と考えていた。また、ドクターヘリを活用すれば、トータルで医療費が安くなると。早期治療は結果として入院日数を短縮し、社会復帰も早い。死亡も少なくなる。このような観点から、ドクターヘリ導入に踏み切ったという(ちなみに、都道府県での導入は、13か所。ドイツでは80か所に拠点があり、ほぼ全国をカバーしているそうな。三重県は今、導入を前向きに検討中)。

 今は、年間約400件(1日1.2件・昼間のみの飛行)に対応。15分以内の到着がスタンダードだそうですが、ここは、離島もあるので広範囲に対応(対馬までは60分)。ヘリ用の医師、看護師は院内業務の主体にはつかず、普段はサポート役として現場に携わり、出動に備えている。国・県の補助金は、委託業者に支払われるので、病院現場は人件費としては赤字だ。しかし、ネームバリューや研修医へのアピールという点では十分な功績があるという。

 他に離島病院とを結ぶ「画像転送システム」や「電子カルテ」の導入など、見るべきものがたくさんあるセンターでしたが、やはり、医師や看護師、医療スタッフ等のいわゆる医療資源の豊富さが、ドクターヘリをはじめ何でもチャレンジできる環境を支えている大きな要因と見えた。ある意味、長崎医大病院とのライバル?関係が、医大に頼らない構造を作ってきたのかも知れないとの弁も。ドクターヘリは、ヘリの導入・維持管理よりも、バックヤードである搭乗医師・看護師、つまりは余剰人員の確保が最も困難な要素であるから、最後に、その点について助言を仰いだ。

 ヘリ要員としては、理想は医師8人、看護師8人を用意したいところ。ここ長崎医療センターは3人で始めたが。確かに要員の確保は容易でない。そういう意味では、要員確保を複数施設(病院)で対応することをお勧めするとのアドバイス。北海道がそうしているとのこと(身分の違いをどうするかという問題はあるようですが。調査の必要がありますね)。ヘリ用の医師として、派遣待機させることができれば、運営がやりやすくなるのではというお話でした。

 いろいろ勉強になることが多かったですが、�―藉�救急を担う応急診療所や電話相談などのシステムのさらなる充実、�▲疋�ターヘリ導入にあたっては、救命救急センターを中心に、複数の病院群で医師・看護師対応ができる環境づくりを行うこと、などが課題と感じました。

投稿者 boss_blog : 2008年08月18日 21:57

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