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2012年02月07日

がんばろう!! ふくしま 

 会派「新政みえ」の県外調査の報告の続きを。今回の調査の後半は、「福島被災地応援ツアー」ということで、企画しました。前述のように、今回の企画は福島市観光物産協会の皆さんに、お世話になりました。ご協力、本当にありがとうございました。また、同じく、福島市、相馬市、伊達市、二本松市、相馬市観光協会の皆さまにもお世話になりました。心から感謝申し上げます。

福島市.jpg

 調査二日目の午後最初は、福島市役所を訪問させていただき、被災当時の状況から、除染計画、さらには福島市の復興計画等について教えていただきました。津波被害のない地域ですが、3.11には震度6弱の揺れに襲われ、人的被害や家屋の被害を受け、一時ライフラインも途絶える状況となりました。さらに、原発の影響を受けて市民の健康に対する不安もあり、また、風評被害で特産の果樹や観光の温泉地が影響を受けるなど、まだまだ震災の爪痕を残しています。

福島市2.jpg

 除染計画では、計画期間を5年、重点期間を2年とし、今後2年間で市民の日常生活環境における空間放射線量を市内全域で1マイクロシーベルト/毎時以下にすることを目指しています。ただ、除染に伴う土壌の仮置き場に苦労しているとのこと。また、市外への避難市民数が約5,600人、一方、1万人を超える避難民を市外から受けているという現実もあり、コミュニティ形成にも配慮がいるようです。

土湯温泉.jpg

 二日目午後の後半は、福島市内の温泉地、土湯温泉に向かいました。ここは、福島市内でも最も汚染の心配のない地域なのですが、建物の被災や風評被害で観光客が減少し、厳しい環境に苦労されているところ。16軒あった温泉旅館も6軒が、建物の被災等で倒産したり長期休業したりしています。写真は、土湯温泉の一部。雪景色の中に浮かぶ、すばらしい温泉地でした。(宿泊させていただいた山水荘さん、ごめんなさい。宿の外観写真をとりそこねてしまいました・・・あしからず)

山水荘1.jpg

 宿泊地である山水荘の渡邉社長に、「土湯温泉復興への道」と題して、講演をいただきました。渡邉社長は、土湯温泉観光協会の会長であり、NPO法人・土湯温泉観光まちづくり協議会の会長でもあります。渡邉社長からは、平成の初めころから、温泉町のまちづくりに取り組んできたこと、震災時は電気が止まる中、3日間、宿泊客を預かっていたこと、その後は機動隊を預かったり、浪江町や南相馬市の避難民を夏まで受け入れてきたこと、などを聞かせていただきました。風評被害については、テレビの映像で住民がマスクをしている映像ばかりを流すので、どの地域でもそういう状態と勘違いされるとのこと。それでも、なんとか土湯温泉のまちを復興させようと、「土湯温泉町復興再生協議会」を立ち上げ、温泉蒸気と温泉熱水を利用したバイナリー発電にチャレンジするなど、復興再生に取り組んでいく熱い思いをお話いただきました。

山水荘2.jpg

 上の写真右が渡邉社長。左が、そのあとお話いただいた、「渡利の子どもたちを守る会」の菅野さん。菅野さんたちの守る会は、除染作業等での被爆から子どもたちを守るため、また、ストレスいっぱいの子どもたちに少しでもリラックスしてもらおうと、土湯温泉等の温泉旅館と協力しあい、格安滞在できる「わたり土湯ぽかぽかプロジェクト」に取り組まれています。渡利地区は比較的線量が他の地域より高めであるため、子どもたちの健康を心配されています。市外県外に移る家族もあるようです。プロジェクトの資金は一般からの寄付で成り立っているそうですが、経費が多く必要なので、今後は海外からも寄付を受け付けたい、また、合わせて、土湯温泉の安全もPRできたら、とのお話でした。

相馬市.jpg

 調査3日目は、相馬市にお伺いしました。相馬市は福島市と違って沿岸部であり、大津波の影響を直接受けた地域です。死者行方不明者458人、人口は震災後3,000人減少しています(人口36,823人)。震災時は、原発事故による風評被害で、物流がストップしてしまい、被災地から逆にトラックを手配して取りに行ったそうです。

ダンプ.jpg

 相馬市の沿岸部を案内いただきました。海岸に近いところは、一面何もない状態が続きます。見えるのは作業のダンプだけ。

ボランティア.jpg

 広大な平地で、ボランティアの方でしょうか。ごみ拾いの作業をされています。田畑のあとでしょうか。

塩害.jpg

 このあたりの水田は、すべて大津波が来たところなので、塩分を含んで表面が白くなっています。今年は作付けは無理だろうとのこと。来年に向けて、改善作業が取り組まれるようです。

海産.jpg

 海が間近なところでは、まだ、大津波に呑まれ被災したそのままの建物も。

漁港.jpg

 漁港も大津波に呑まれ、施設関係も基礎だけを残し、何も残っていません。

かめや2.jpg

 調査の締めくくりは、震災を乗り越えて、民宿業を再開された相馬市松川浦の「亀屋」さんにお邪魔しました。とにかく復興再生にかけるというご主人の姿に、エールを送りたい気持ちでいっぱいでした。ありがとうございました。

投稿者 boss_blog : 2012年02月07日 18:52

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